デメリット(各種リスク)
メリット1やメリット2で説明したように FXには、他の為替投資に比べて非常に大きなメリットがあります
しかし、残念ながらデメリットもありますので、そちらにも触れておきたいと思います
ハイリスク取引?
FXは非常にハイリスクだと言われています
これは本当でしょうか?
たしかにレバレッジをかけると、為替変動リスクは何倍にもなりますので ハイリスクになります
元手100万円で外貨預金をする場合、1万ドルしか買えませんので1円の円高による損失は 1万円に限定されます
しかし、FXでは最大50倍までレバレッジをかけることができ、 100万円の証拠金で約50万ドルのポジションを持つことができます
この場合、1円の円高により50万円の損失になります
しかし、間違ってはいけないのは、FXではレバレッジをかけることができる だけであると言うことです
100万円の元手で10万ドルのポジションを持つことができますが、当然1万ドルのポジションを持つことも 可能なわけです
リスクはあくまで投資家によって選択できるのです
従ってFXがハイリスクだと言うことは間違いなのです
相対取引
FXの取引形態は、くりっく365や大証FXのような市場で取引する「市場取引」と FX業者と直接取引するの「相対取引」の2つがあります。
このうち相対取引では、市場取引と違い相対取引によるリスクがあると言われています
相対取引では、株式市場のようにオープンな市場で取引が成立するのではなく 取引業者との直接の取引になります。
すなわち、あなたが1万ドルの買いポジションを持つということは、業者は1万ドルの 売りポジションを持つということになります。
つまり、業者側も顧客と同じだけ為替変動リスクを背負うことになります
しかし、ほとんどの業者では通常、顧客からの注文と同じ注文をインターバンク市場に 出すことによって、業者自身でポジションを持たないようにすることによりこのリスクを回避しています
あなたが1万ドルの買いポジションを持つ(=業者が1万ドルの売りポジションを持つ)と同時に 業者はインターバンク市場において1万ドルの買いポジションを持つわけです
こうすることによって、業者は為替変動リスクを回避しています
為替リスクを背負い込む業者
しかし、一部の業者にはこのオーダーを出さず、自ら為替リスクをとる業者も存在します
そうすると、顧客と業者の利益は相反することになり、自然とあの手この手で顧客が損失を 出すよう仕向けてきます
最悪のケースでは、なかなか顧客の決済注文を受けつけずに、損失が広がったり、利確のタイミングを 失ったりと言うケースもあります
また、業者が予期しない大きな為替変動があったとき、最悪の場合、業者がその損失に耐え切れずに 倒産してしまう危険性もあります
ですので、この手の業者とは絶対に取引するべきではありません
業者の倒産リスク
相対取引では決済取引もその両者においてのみ行われます
従って、業者が倒産や事業廃止などの事態に陥ったら、様々な弊害が発生します
今では信託保全が義務付けられているので、預託金が返って来ないと言うことは、 基本的にはありませんが、強制的にポジションをクローズされたり、 最悪、詐欺業者に引っかかってしまったような場合には、預託金が返ってこないような ケースも否定はできません
(注)信託保全
顧客から預かった証拠金を第三の信託銀行に預け、業者の資産とは区別して管理すること
この場合、万が一、業者が倒産しても、顧客の証拠金は保護されます
価格のボッタクリに注意
株式市場のような「市場取引」では、証券取引所で取引された価格が 唯一の価格となりますが、「相対取引」では、取引する当事者間で 取引価格が決定されます
つまり、業者が提示する価格に対し、投資家が同意すれば、 それで取引が成立となります。
従って外国為替の世界では、世界中で複数の価格が存在することになります
ロイターやQUICKなど、情報源によって為替レートが微妙に異なりますが、 それはこのような理由によるものです
ですから、投資家は、よく取引業者を吟味して選ぶ必要があります
その事業者が提示している為替レートはマーケットの中心レートから かけ離れているかもしれないからです。
以上のように、FXにおいては、取引業者の選択が非常に重要になってきます
ですので、取引を始める際には十分注意して業者を選択する必要があります
ただ、逆に言えば、業者リスクさえ回避できれば、FXは 非常に優れた取引といえるでしょう