ゼロからの投資
株と為替で収入UP お気に入りに追加
ゼロからの資産運用  > FX投資メモ  > 特約付き外貨預金の落とし穴

買ってはいけない(特約付き外貨預金)


シティバンクの「プレミアム・デポジット」という商品をご存知でしょうか?

少し前に、非常にハイリスクな商品を顧客に仕組みやリスクをきちんと説明しないまま販売し、 大問題になった商品です

外貨預金と言う触れ込みで販売されたその商品は、実は非常にハイリスクなデリバティブ取引を 組み込んだ商品でした。
預金だから元本保証と思っていたのに、気付けば多額の損失を被ってしまい、「どういうことなんだ!」 と顧客とのトラブルが相次いだのです

その結果、シティバンクのプライベートバンク部門は銀行免許を取り消され、 日本から撤退を余儀なくされてしまいました

しかし、驚くべきことにこれと同じ仕組みの商品が、日本のメガバンクや地方銀行で 普通に販売されているのです。しかもシティバンクと同じようにたいした説明はされていないのです

ここを読んでいただいた方は、是非その仕組みを理解し、騙されない様にして下さいね
そして近所の人や親戚など身近な人で勘違いしている方がいらっしゃったら、是非教えてあげて下さい


特約付き外貨預金の本当の仕組み


「特約付き外貨預金」とは、その名とは反して、通常の金利がつく「預金」とはまったく違い、 為替オプションというデリバティブ取引が組み込まれた商品です

為替オプションとは

「為替オプション」とは、数ヶ月先に外貨を買ったり売ったりする権利のことです

たとえば、今1ドル=110円とします。
1ヵ月後に1ドル=105円で売る権利を「今」売買するのです
この権利が1円で売っているとして、1円払ってこの権利を購入しておくと、 1ヵ月後に1ドルが100円になったとしても95円になったとしても105円で売れるのです
時価で安くドルを買って105円で売れるのですから、その差額だけ儲かることになります

逆に、1ヵ月後に1ドル=105円以上の円安になっていたら、わざわざ105円の安値で売る人はいませんから 権利は紙くずになってしまいます

従って、この権利を買うと、1ヵ月後に1ドル=105円より円高になっていたらその差額分だけ 儲かり、1ドル=105円より円安であれば権利代だけ損することになります

為替オプションを売ると

逆に、この権利の売り手は、どうでしょう?
1ヵ月後に1ドル=105円以上の円安であれば、権利を行使する人はいないので売った時の権利代が そのまま利益になり、105円以下の円高になっていれば、いくら円高になっていようと、絶対に 1ドル=105円でドルを買わなければいけません。その差額分だけ損することになります

損益グラフを書いてみるとこのようになります


あれ?何かににていませんか?
「特約付き外貨預金」は、満期時に指定レートより円安であれば、円で元金+「金利」分が 返ってきます。
そして、指定レートより円安であれば、ドルで元金が返ってきましたよね

そうです!
「特約付き外貨預金」と全く同じです。預金とは名前だけで、実は為替オプションを売っていたのです
そして、金利という名のお金は、実はオプション権利代(オプションプレミアムと言います)だったのです


特約付き外貨預金の問題点


さて、「特約付き外貨預金」の正体が為替オプション売却という行為だったとして、どこが問題なのでしょうか
ちゃんと利益が出て安全な商品だったら大きな問題ではないですよね

非常にハイリスク

しかし、残念ながら為替オプション売却は、かなりハイリスクな取引とされています。
そのため、多くの証券会社でオプションは買いのみ可能で売ることができないようになっています

それほどハイリスク商品を預金という名の元に販売するのですから驚くほかありません

マイナス期待値

そして、オプション売りの仕組み上、円安に進んだ際の利益はプレミアム分に 限定されているにも関わらず、円高になった際の損失は青天井です
従って、オプション売りという行為は如何に高い価格で売るかが命であり、 プレミアムの設定にすべてが懸かっているのです

しかし、金利と言う名目で貰えるお金は、市場で流通している同じような条件のオプションプレミアムと比べて ずっと低い金額です。
オプションプレミアムから銀行がピンはね分が引かれている為です

その結果、この「特約付き外貨預金」と言う商品、期待値はマイナスになってしまいます
判りやすく言うと、この預金の預金者は、平均して元本割れしていることになります

こんな商品を、「高金利」だとか「手数料なしで外貨預金」などと言って売っているのですから、 トラブルにならないわけがありません


一方、銀行側はと言うと・・・

「特約付き外貨預金」を販売したことにより、為替オプションを購入したことになるので、 このリスク回避をしなければいけません
そこで、すぐに市場で為替オプションを売却するのです

そうすると、、、為替オプションの売却により得られるオプションプレミアムと、預金者に支払う 「金利」の差額がノーリスクで儲かることになります

先ほどの損益グラフに、銀行の損益を重ねて見ましょう


こんなおいしい商品はないわけですから、血眼になって販売するわけですよね・・・


結論


どうです?
仕組みを知っても、まだ「特約付き外貨預金」に預金しますか?

仕組みを知った上で投資されるのは問題ありません
多少不利な条件とはいえ、普通はできない為替オプションの売却ができるのですから メリットがある場合もあるでしょう

しかし、何も知らずに預金と思ってするのは危険が多すぎます
そもそもリスクとリターンが釣り合っていないのですから、近づかない方が無難です
ここを読んで頂いた方は、是非銀行の甘い罠に引っかからないようにして下さいね

ちなみに、今回は為替オプションを使ったものでしたが、日経平均オプションを使ったものなど 同類の商品はほかにもたくさんあります

一見有利に見える商品には、何かしら裏があると思ってしっかり調査されることをおすすめします